個人事業主が自己破産を行う場合、事業に必要な機材や道具を財産として差し押さえされたり、賃貸契約を解約するといった条件が課せられます。

そのため、事業を継続していくのに大変高いハードルを課せられる企業もあれば、コンピューター1台あれば継続可能な会社も存在します。

また現在、自己破産後の事業立ち上げや、存続を応援する制度の発達によって、多くの可能性を見出すことができるようになりました。

今回は特に、個人事業における自己破産のデメリットと、その後の事業立て直しの可能性についてご紹介していきたいと思います。

自己破産による事業存続を困難にする弊害とは

金融機関から借入できない

自己破産の場合、10年の間に渡り、信用情報機関のブラックリストに掲載されてしまうことになります。

そのため、事業を行う上での必要資金の調達に金融機関を利用することができません。

機械等の事業資産が整理されてしまう

生活必儒品でない限り、20万円を超える私財は整理されてしまいます。

そのため、事業で使われてきた機材、資材といったものも、財産として差し押さえの対象になってしまいます。

よって、生産業や、技術職を成り立たせるあらゆる事業資産が手元からなくなり、事業存続が難しくなってしまいます。

従業員、事務所の契約解除をよぎなくされる

自己破産の条件に、生活に不可欠な契約(ガス、電気等)を除く契約は解消しなくてはならないというものがあります。

そのため、従業員はもちろん、工場や事務所といった業務を行う賃貸の契約も解消しなくてはなりません。

取引先との関係が難しくなる

もし、取引先に買掛金といった未払い金がある場合は、それが借金として整理されて支払いができなくなってしまうため、取引先の信頼を失う可能性があります。

結果取引先自体を失い、事業がなりたたなくなる可能性を秘めています。

事業立て直しの可能性は?

以上から、個人事業主が自己破産した場合は、事業を継続していくことや、再起業することは大変難しい環境に置かれることが分かると思います。

しかし、その中でも、事業用資産が差押禁止財産であった場合は保有することが許されています。

大工や画家の道具、農業、漁業で生計を立てていく上で必要不可欠な最低限の道具、発明品、文芸、学術、美術、音楽における著作権などがそれに当たります。

どれも生活していく上で必要不可欠なものとして位置づけされているため、多くの人を雇う形態での事業の展開は厳しいといえるでしょう。

再挑戦支援融資の存在

自己破産をした人でも、融資を受けられるのが、政府運営する、日本政策金融公庫の再挑戦支援融資です。

この制度は、倒産した理由に違法や不正な行為が含まれない場合や、廃業の理由がやむおえない場合において受けることができます。

資金の30%は自分で調達しなくてはなりませんが、その条件をクリアすることができれば、7,000万円以上の融資を受けることも可能です。

信用保証協会付融資

信用保証協会とは、中小零細企業や、個人事業主が融資を受けやすくするための保証を請負う機関です。

県、市町村といった自治体の融資制度は必ず、この信用保証協会の保証をつける決まりとなっています。

このように、信用保証協会の保証の付いた融資を、信用保証協会融資といい、自治体の中には再挑戦支援融資を設けている地域も存在します。

最寄りの自治体に相談し、条件にかなえば1,000万円の融資を受けることができる可能性があります。

その他、公的な制度として、商工組合中央金庫の再挑戦支援融資がありますが、事業計画書等を提出し、融資審査を受けることになります。

自己破産をした後も考慮して

自己破産をした後でも、取締役に就任したり、再起業することに制限はありません。

しかし、そのための環境を整えるためには、多くの労力を必要とすることは否めません。

存続、再企業が可能かどうかについては、専門家の意見もききながらの判断が必要になるでしょう。

人物吹き出し

そのことを踏まえて、自己破産をすることが自分にとってベストな解答なのか、まず債務整理に長けた弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。

以上、個人事業主の自己破産におけるデメリットと業務継続についてのまとめでした。