奨学金制度は、進学したいが進学するだけの金銭的余裕のない学生に対して国や民間の組織が学費を貸し出す制度です。

卒業後は学生自身が確実に返済していかなくてはならず、滞納した場合には催促や、裁判まで発展することもある、れっきとした借金です。

大学院まで利用した場合には、月に4万近い奨学金を20年間払い続けなくてはならないケースもあり、奨学金の返済が難しく、自己破産する人も増え、奨学金の滞納が社会問題視されています。

今回は滞納した場合どうなって、またどう対処すればいいのか。また奨学金の債務整理について調べていきたいと思います。

滞納した場合どうなるのか

年利10パーセントの延滞料金が発生

月々の支払い額に対して、支払い期日の翌日から支払いされる前日までで、年利10パーセントの延滞料が課金されてしまいます。

滞納が3か月を超えると信用情報機関に掲載される

返済が滞り、3か月を経過してしまうと、信用情報機関に事故情報として掲載されてしまうため、ローンを組んだりカードを作成したりできなくなってしまいます。

9か月で裁判所に訴えられる

滞納が9か月に及ぶ場合は、裁判所に起訴され、一括での支払いを請求されてしまうことになります。

奨学金にも差し押さえがある

一括請求されたのち返済ができない場合は、給与、財産の差し押さえや競売が裁判所を通して行われるようになります。

こういったところを見ると、奨学金も通常の借金返済ができない場合となんら変わりがないことが見て取れるでしょう。

以上の流れをみても、3か月を超える前に、必ず返済をするか、もし返済が経済的に厳しい場合は、JASCO(日本学生支援機構)へ猶予申請をするか、月々の返済額の減額依頼を行わなくてはなりません。

奨学金が支払えない場合は猶予、減額を申請してみる

奨学金の返還期限猶予

猶予を受けるためには、審査に通らなくてはならず、猶予を行う前々月末までに申請を行わなくてはなりません。

猶予の対象としては、

  • 傷病
  • 生活保護受給者
  • 入学準備中
  • 失業中
  • 経済困難
  • 特別研究員
  • 新卒
  • 災害
  • 産前産後休業、育児休業
  • 大学校在学
  • 海外居住
  • 今年海外から帰国
  • 海外派遣
  • 外国で研究中
  • 外国の学校へ留学

と多種多様にわたり、基本どんな人に対しても奨学金の返済で、生活に支障がでないように工面されているといえます。

また、猶予年限特例又は、所得連動返還型無利子奨学金という形式で奨学金を借りた場合は、一定の収入を得るまで、奨学金の支払いを猶予を願いでることも可能です。(審査が必要)

すでに長期延滞していても対処してもらえる

すでに長期にわたって延滞している場合でも、所得証明書といった、延滞しなくてはならなかった状況を証明できる書類を作成を提出できれば、その証明できる時点にさかのぼって、猶予扱いにしてもらうことができます。

複数年にわたる場合は、1年ごとの申請になり、もし、途中からしか猶予事由がない、もしくは事由にあった証明書を提出できないといった場合には、その時点までの返済を終えたことを条件に、それ以降の猶予依頼をすることができます。

月額の減額を通して、支払い期間延長も

月々の支払いが難しい場合は、月額を減額して、その分、支払い期間を延長して払っていくことも可能です。

減額といっても、月賦の月ごとの金額の話で、総額が減額されるわけではないことを理解していなくてはなりません。

奨学金の債務整理

任意整理は他に債務がある場合に有効

基本利息カット程度しか交渉の内容がなく、もともと金利も高くないため、JASSO自体も、利息カットに応じない姿勢を示しています。

そのため、奨学金以外に借金がある場合は、それを整理することで、月々の全体の支払いを減らし、奨学金の月々の負担を賄えるようにするという方法になります。

個人再生や自己破産はお勧めできない

個人再生では、再生計画案で決定した最低弁済額以上の金額を3年または5年で返済しきらなくてはなりません。

最低弁済額は、
100万以上から500万以下で100万円
500万以上から1500万以下で債務額の5分の1とされ、

例えば、総額240万の奨学金を抱えている場合は、減額後の100万円を3年または5年で返済していかなくてはなりません。

そのため、仮に5年で返済したとしても、月額17000円程度の支払いになり、整理する前の月賦16769円(15年支払い)とほとんど変わらず、しかも、免除された支払いは、保証人が返済していくことになるため、保証人に多大な負担を与えてしまうことになってしまいます。

奨学金の場合、連帯保証人が親であることが多いですが、最近では、関連保証機関を保証人に立てることができるようになりました。

しかし、保証機関が免除分を支払いしたとしても、その支払い分は再び債務者である自分に請求されるため意味がありません。

自己破産も個人再生と同様、もし、免除を受けたとしても、免除された全額を保証人が支払う、または保証機関を通して自分が払うことになってしまいます。

このように、奨学金の返済は、将来の日本の財政運用にかかわってくるものであるため、回収もシビアに行われています。

どうしても支払いができないという状況に陥ったら、すぐにJASSOにその理由を報告し、猶予や減額依頼を通して、延滞金の発生を防ぎましょう。

人物吹き出し

猶予期間も最長10年となっていますので、猶予をもらった場合には、その期間にしっかりと返済する準備を整えていきましょう。